【特 徴】草丈15〜30pの1 年生の寄生植物。ススキやサトウキビ、ショウガ属の根に寄生する。茎はごく短く、ほとんど地上には出てこない。葉は鱗片状で狭三角形、数個つく。地上部は花茎で、先に横向きの花をつける。花冠は筒形で淡紅紫色、長さ3〜3.5cm。先は浅く5裂し、縁は全縁。萼は黄褐色で先が尖り、淡紅紫色の筋が入る。 健康食品、生薬として利用されている。 ナンバンギセルは古く万葉集にも出て来る。 「道の辺の尾花がもとの思い草 今さらになど ものか思はむ」 「思い草」は、ナンバンギセルのことと言われている。意味は、「道ばたに生えるススキだけを頼って生きているナンバンギセルのように、私はあなた一人を頼りに生きているのですから、今さら、何一つ考えることはありません」。花を下に向けるその姿が、首を傾けてもの思いにふけっているように歌人が感じたのでしょうか。 【生育環境】 山野、その林縁 【分 布】 日本全土、中国、インドシナ、マレーシア 【開花時期】 7〜11月 【カテゴリ-】 |