【特 徴】高さは9m前後に達する常緑の小高木。根茎はマングローブ湿地の泥中を這い、径50〜70cm、二叉分枝した根茎を伸ばす茎はなく、地上部には根茎の先端から太い葉柄と羽状の複葉を持つ数枚の葉を束生する。葉は羽状複葉の長さは5-7mになり、直立する。小葉の長さは1m程度で、線状被針形、全縁、革質で光沢があり、先端は尖る。花期には葉の付け根から花序を伸ばし、長さ80-100cm程度の細長い雄花序および、その先端に球状の雌花序をつける。雌花序は頭状花序で、雄花序は尾状花序である。花弁は6枚。花期の後、雌花序は棘のある直径15-30cm程度の球状の集合果となる。
繁殖は、根茎を伸ばした先から地上部を出す栄養繁殖のほか、種子による繁殖を行う。集合果から分離した種子は直径尾4.5cm程度の卵形で海水に浮き、海流に乗って漂着した場所に定着する海流散布により分布を広げる。 ニッパヤシ属で現存するのは本種一種のみの一属一種。西表島のは、分布の北限。 【生育環境】 干潟などの潮間帯に生育するマングローブ植物 【分 布】 西表島、内離島、インド、マレーシア、ミクロネシア 【開花時期】 7〜8月 【カテゴリ-】 絶滅危惧IA類 |